取扱事案

家族信託

 最近、「家族信託」という言葉を耳にされたことのあるお客様も多いのではないでしょうか。
 平成18年に信託法が大幅に改正(平成19年9月30日に施行)され、旧法では認められていなかった新たな制度や仕組みが取り入れられたことに伴い、近年、遺言や成年後見制度に代わる家産承継の方法として信託が非常に注目を集めています。
 では、信託とは一体どのような制度なのでしょうか。一般に信託とは、ある人(委託者)が契約や遺言などによって、信頼できる人(受託者)に対して自己の財産(不動産や金融資産等)を移転し、受益者(委託者も受託者もなることができます。)のために当該財産の管理・処分などを託す制度のことをいうと説明されます。そして、「家族信託」とは、例えば、父親が所有する財産を息子に託すというように、受託者を家族の中の誰かと定めることで、家族の財産を守り、活かし、そして遺すものを指します。

 例えば、信託はこのような御希望をお持ちのお客様に御利用頂くことができます。

事例1 後継ぎ遺贈型の受益者連続信託

 先祖代々受け継がれてきた土地・建物を、自分が亡くなった後は妻に居住させたいが、妻(配偶者)が亡くなった後は、自分の血縁関係のある親族(弟の息子等)に相続させたい。

※民法上、遺言では相続財産の帰属を二次相続まで定めることができないと解されていますが、信託を利用すれば可能となります。

事例2 浪費癖のある相続人に対する生活資金の給付

 既に妻(配偶者)が他界しており、自分が亡くなると唯一の相続人である息子が多額の遺産を相続することになるが、それによって息子の生活環境が大きく乱れてしまうのではないかと心配している。息子が45歳になるまでは毎月一定額の金銭だけを受取らせ、45歳になった時点で資産の全てを相続させるという内容の遺言を残したい。

※息子さんは、健常者であることから成年後見制度を利用することにより、財産の管理を他人に任せることはできませんので、本件の様な場合には信託を利用するのが有効かと思います。

事例3 自己信託の利用

 障害をもった子がおり、この子のために十分な生活資金を残してあげたいと考えている。自分は会社経営者として、会社債務を連帯保証していることもあり、今後、会社の経営が破綻するような事態も想定されることから、今ある財産を自分の管理下におきつつ、倒産などによる影響を回避したい。

 信託は、倒産隔離機能を有するとされていますので、財産を自己の管理下に置きながら、一方で自己の破産による影響を回避することができます。
 (倒産隔離機能は、委託者の倒産の影響を受けないという側面と、受託者の倒産の影響を受けないという二つの側面を有しています。)

 上記のように、信託を利用することによって、お客様のニーズに合わせた様々な資産の管理・処分が可能となりますが、信託は、非常に奥が深く、形にすることは容易ではありません。したがって、御利用に際しては、専門家による協力が不可欠となります。

 信託に少しでも御興味のある方は、一度当事務所の弁護士にご相談下さい。