不動産
不動産
不動産は資産価値が非常に高く、当事務所でも不動産に関するご相談は後を絶ちません。
不動産に関わる紛争事例としては、土地・建物の不法占拠、土地・建物の売買代金の不払、賃料の不払、賃料の増額或いは減額、賃料不払いを理由とする賃貸借契約の解除と明渡、相隣間の境界争い、抵当権の実行手続等、様々なものがあります。
不動産に関する一般的な紛争解決の流れとしては、
(1)相手方に対する内容証明郵便の発送(2)話合い(和解契約書等の作成)(3)話合いによって解決ができない場合には、調停・裁判等の手続を選択することになり、この点は一般の⺠事訴訟の流れと大きく変わることはありません。
ただし、不動産に関する紛争は、解決に専門的な知識を必要とするだけでなく、解決策の選択を誤ると紛争が⻑期化し、時には大きな二次的被害を生じさせてしまう危険性があります。例えば、土地の所有者に無断で当該土地上に建物を建築し居住をしているという相手方に対して、話合いでの解決を求めてきたが、突如として相手方から取得時効の主張(援用)がなされ、その後、話合いが頓挫しどうすれば良いか困っている、というようなご相談を頂いたことがあります。このような事例において、仮に相手方の主張が正しく、相手方が取得時効の要件を満たしているというような場合には、相手方の主張に従わざるを得ないというのが法的な結論になります。このような最悪の事態を防ぐためには、早々に専門家に相談し、取得時効を中断させる法的手続き(裁判上の請求、差押え等)を採る必要があったということになります。
不動産は資産価値が高く、ご相談者様の生活に大きく関わる重要な問題です。不動産に関連する問題でお悩みの方は、手遅れとなる前に一度当事務所の弁護士にご相談されることをお勧めします。
マンション
近年、マンションなどの共同住宅が普及し、しかもマンションの大規模化、高層化が進むにつれて住⺠同士のトラブルやマンション管理上の問題などが急増しています。
マンションにおいては、通常の近隣関係以上に、共同生活者であるという理解の下、お互いの譲り合いと節度ある行動が求められているといえるでしょう。
マンション管理は全居住者の利害関係を調整しつつ、個々のマンション居住者に発生している不都合を解消し、場合によっては同時に別のマンション居住者に自重を求めるというものであって、複数の利害関係人の利益調整が不可欠なるとても難しい作業です。
また、1住⺠同士のトラブルの他にも、2管理規約を巡るトラブル3管理組合の運営を巡るトラブル4管理内容を巡るトラブルなど、その他にも多岐にわたるトラブルが発生します。
そのようなトラブルに対して個々の居住者や管理組合だけで対応しようとすると、ときとして感情的なこじれが発生し、問題がどんどん悪化していくことにもつながりかねません。
そのような場合に、弁護士が関わることで、関係者の方々に客観的で適切なアドバイスや説明をさしあげ、居住者相互間の理解と信頼関係を損ねることなく問題解決を図ることが出来ます。
1.住⺠の方同士のトラブルについて
マンションは不特定多数の人間が共同生活を営む場ですから、当然価値感や考え方が合わないということが出てきます。
例えばゴミの出し方であったり、駐輪場の使い方、子供の声などの騒音問題やペットトラブルまで、個々の居住者の考え方というものは違うものですし、その許容範囲もまた違います。
そんな各々の価値観や考え方の違いが顕在化したものが「住⺠の方同士のトラブル」というものですので、当事者同士だけで話し合ったり、管理組合による仲裁だけで解決を図るというのではおのずから限界があるといわざるを得ません。
そんなとき、弁護士を間に入れたり、仲裁を図ろうとする管理組合が弁護士から法的理由に基づいた適切なアドバイス(法律上の相隣関係にある者としての受忍限度についての説明など)を受けた上で仲裁を図ることにより、トラブルを単なる価値観考え方の衝突ではなく法的な問題として解決の糸口をつかむことが出来ます。
2.管理規約を巡るトラブルについて
マンションなどの管理規約は一見しっかりとできているように見えて、実は自治的な組織の規約としてみると不十分なことも多いものです。
また、マンションの住⺠の構成、管理組合の組合員の構成、管理組合の役員の構成などの変動により、管理規約を変更する必要が出てくることも珍しくはありません。
管理規約を巡るトラブルの多くは1本来管理規約で定めておくべき事項が記載されていない2管理規約に一応の規定はあるが、趣旨が不明確で解釈に争いが生じているなどという場合です。
このような不十分、不適切な管理規約を適正なものに補正しておくことは、マンション管理の適正の確保と、住⺠のみなさまの無用なトラブル回避の点でとても大切なことといえるでしょう。
3.管理組合の運営を巡るトラブルについて
管理組合の運営を巡るトラブルとは、例えば1管理組合の役員が不当な行為をしている2管理組合の役員に役員を辞めてほしい3管理組合の総会などの議事運営が不適切であり不公平であるなどの、管理組合の運営そのものにかかわるトラブルをいいます。
多くのマンションにおいて管理組合の役員というものは組合員(居住者)の互選や持ち回りのような形で就任するものであり、マンション管理の専門家ではありません。
また、大抵は役員は平素は仕事を抱えており、仕事を抱えながら管理組合の役員の業務を執り行っているというのが実態です。
このような管理組合の役員の実態は、避けることのできないものとして二つの大きなトラブルを生む土壌となってしまいます。
まず一つ目は1管理組合の役員の方に対する一般の居住者の方からの期待や負担が過大なものとなるおそれがあります。
これは一般の居住者の方が「管理組合の役員は自らの仕事を抱えながら無償(ないし極めて低額の対価)で活動している」ということに対して感覚的な理解をしていない場合に起こります。
次のパターンとしては管理組合の役員の方がその負担感から馴れ合い的に利益を得るようになってしまい、その利益を得ることを目的とした行動を採ってしまうようになるおそれがあります。
これは、マンション等の管理組合は修繕積立金や共益費など、一戸一戸としては少額であっても全世帯分がそろうと相当な高額となるお金を管理し、マンションの維持管理のために使用する権限を有していることによるものです。マンションの維持管理のためのある作業を外注する際、受注する業者が管理組合の役員の方になにがしかの便宜を図って発注を促すことは有りうることですし、役員の方においても「ボランティアで頑張っているんだからこれぐらいいいだろう」というような甘えの気持ちが生じやすいところでもあります。
このような2つの場面において、居住者の方と役員の方とに生じやすい考え方の違いにより、思わぬトラブルに発展することも多いのが現実です。
弁護士はこのような居住者の方特有の考え方、役員の方特有の考え方について、その問題点を掘り下げて検討するとともに、具体的に発生しているトラブルについて円満な解決が図れるように活動します。
4.管理内容を巡るトラブルについて
管理内容を巡るトラブルとは、マンションの維持管理について、一部の居住者の方から強硬な反対を受けていて動きが取れなくなっているなどというケースです。
これは例えば1マンションの修繕工事を発注するにあたりその受注業者の選別方法に反対意見が出た2マンションの正面玄関等をオートロックに交換するかどうかで反対意見が出されているなどというようなケースが散見され、最近では3マンション共用部分(エレベーターや廊下など)の電灯を、より省エネ効果の高いLED電球に交換するための工事について初期投資がかさむとして反対意見がでているなどというものも多くなっています。
このような場合に居住者の方が反対意見で一致してくださっていれば、そのような管理維持計画を撤回すればよいだけなのですが、難しいのは「居住者の方の多数決では交換が支持されているが、非常に声の大きな反対の居住者がいる」場合です。このような場合、賛成の多数の居住者からは計画の実行を求められ、しかし反対の居住者は強硬に反対し続けるためなかなか実行に移せないという、いわば板挟みの状態となるからです。
弁護士はこのような板挟みの状態を法的観点から整理し、可能な限り全居住者の納得得ることを目的としつつも、最終的に反対の居住者が残ってしまった場合にも適正な手続きを踏むことにより法的な問題のない状態にして管理維持計画の実行を実現するためのお手伝いをいたします。