弁護士雑感

2018/04/25 弁護士雑感

【弁護士雑感】裁判所のセキュリティ

 以前、裁判所について東京・福岡などの一部裁判所においては入館時に所持品検査などが行われているものの、大多数の裁判所ではまだまだ実施されていないとのブログ記事を掲載したことがありますが、あれから急激に変化がありました。

 当事務所のある大阪地方・高等裁判所はもとより、多くの裁判所において所持品検査が実施されるようになっています。

 とはいえ、まだまだ所持品検査が行われているのは地方裁判所の「本庁」がほとんどであり、多くの支部や家庭裁判所などではまだ未実施というところが多いようです。

 裁判所で行われている所持品検査は、空港などにあるものとほぼ同じで、それなりに設置のための費用も人員確保のための人件費も必要なものですので、裁判所の都合からもいきなりすべての裁判所で実施するというわけにもいかないのでしょうが、これからは少しずつ実施する裁判所(支部など)も増えていくのかもしれません。

 裁判所職員(裁判官・書記官・事務官など)や、裁判所を利用する一般市民(われわれ弁護士含む)の安全の確保という観点からはやむをえないのかもしれませんが、裁判員裁判や各見学の機会の確保などのような「開かれた司法」「司法への市民の理解」というような方向とは少し違う方向の動きであることも事実です。

 両者ともに重要な理念かと思いますので、うまく調和をとっていただきたいものと祈念してやみません。

<弁護士 溝上宏司>

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