弁護士雑感

2016/02/14 弁護士雑感

【弁護士雑感】弁護士の選び方について

 最近、当事務所でも「既に弁護士に依頼しているが、その弁護士の話の進め方について疑問を感じている。本当にこのままの進め方で問題がないかどうかの意見を聞かせてもらえないか。」といった、いわばセカンドオピニオンを求める法律相談が増加傾向にあります。しかし、実際に御相談を受けさせて頂くと、依頼している弁護士の事件処理の進め方だけではなく、当該弁護士の対応に対する不安・不満を口にされる場合が非常に多く、私としては正直、なぜ直接その不安・不満を依頼している弁護士にぶつけないのだろうと疑問を持つことも少なくありません。弁護士の職務は依頼者の方の不安を取り除くことを何よりの基本としています。したがって、御自身の不安や不満を直接ぶつけられないような弁護士に依頼されているということだけで、弁護士の選び方に誤りがあったのではないかと推認されるところです。

 そのような現状を受けて、今回は弁護士としての立場から、可能な限り失敗しない弁護士の選び方について、私なりの考えを少し書かせて頂こうと思います。

 弁護士というと、「法律の専門家」という漠然としたイメージしかお持ちでない方が殆どかと思います。そのため最初に御相談された弁護士に何かよほどおかしな点が見つからない限りは、特に疑われることなく、その弁護士にそのまま事件処理まで御依頼されるというのが一般的な流れになるかと思います。しかし、法律相談に留まらず、事件処理まで御依頼されるとなると、裁判まですることを念頭におくと、数年単位で関係を持つこととなるのが通常ですので、弁護士の人間性に特に触れることなく、弁護士は皆「法律の専門家」で誰でも同じだろうとの認識の下、安易に事件処理まで御依頼されることは非常に危険です。御相談に行かれた弁護士の事件処理に対する見通し・考えを聞いて安心・納得できるかどうかは当該弁護士に事件処理まで御依頼されるか否かの重要な判断要素ですが、それだけではなく、御依頼される事件について、逐一何でも気軽に相談・質問できる関係性を築けそうな人物であるかどうか、その点も忘れずに判断要素として頂きたいと思います。

 弁護士に対して最初にお支払い頂く着手金というものは決して安価な金額ではありません。仮に弁護士に着手金を支払った後に、その弁護士の話の進め方や対応に疑問を感じ、解任したいと考えても、既に弁護士が事件処理に着手してしまっている場合には、その全額の返金を求めることはほぼ不可能です。一方で新たに弁護士を選任するとなると、通常一から着手金を支払う必要があります。そうすると、弁護士を変更する場合には、変更しない場合と比べて高額の負担を強いられる結果となってしまいます。私の相談者の方にも、経済的負担が理由で弁護士の解任ができず、渋々その弁護士との委任関係を続けるという選択をされた方も何人かおられました。

 もし法的トラブルに巻き込まれた場合には、最初に掛ける労力を厭わず、最低でも2人以上の弁護士から事件の見通しを聞いて頂き、その中で最も安心・納得できる回答をしてくれ、かつ、自身の意見や質問に対し、希望に沿った対応をしてくれる弁護士を選んで頂くことをお勧めします。

弁護士 松隈貴史>

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